姜内科クリニック

2020年8月4日

ヨード摂取量と甲状腺の関係

最終更新: 2023年11月5日

ヨード(ヨウ素)は甲状腺ホルモンの原材料ですが、ヨードの摂りすぎは甲状腺機能にさまざまな影響を及ぼします。
 
自然界では、ヨードは海藻類特に昆布に多く含まれています。
 
ヒトのヨード必要量、つまり甲状腺機能を正常に保つための量は、1日0.1mg~0.2mgとされています。
 
過剰による影響は、1日数㎎~数百㎎のヨードの摂取で出現しやすくなります。
 
周りが海で、日頃海藻類を摂取しやすい日本のような国では、過剰なヨード摂取によって、甲状腺ホルモン合成が抑制されたり、分泌が抑制されたりします。
 
ヨード過剰摂取による甲状腺ホルモン合成抑制は、健常甲状腺の方なら自然と解除されますが、橋本病のような甲状腺疾患を有する方は抑制が解除されずに長引いて、甲状腺機能低下症になってしまう場合があります。
 
うがい薬の場合、ヨード入りうがい薬ガーグルでは1mL中に7mgのヨードが含まれています。
 
昆布はどうかというと、乾燥昆布100g当たりのヨード含有量は170㎎です。
 
おしゃぶり昆布1枚は約1gですが、そこにヨードは1.7㎎含まれています。
 
橋本病を有する不妊治療中の方や橋本病はあるけれど甲状腺機能は正常で経過観察中の方、バセドウ病の方は、長期にわたるヨード過量摂取に注意された方が良いとおもいます。

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