​もっと詳しく「橋本病」

橋本病は、約100年前に日本人研究者が発見した甲状腺の病気です

 

よく、甲状腺ホルモンが少ない状態を橋本病と思ってらっしゃる患者さんがいますが、そうではないんです。

それでは橋本病とはどのような病気なのでしょうか?橋本病は、三重県伊賀市出身の橋本策(はかる)博士の名前に由来します。橋本先生は、腫れて大きくなって摘出された甲状腺の組織を顕微鏡で観察し、1912年にドイツの外科学雑誌に報告しました。健常な人の甲状腺にみられる組織の構造が破壊されていて、本来ならウイルスなどの外敵と戦うはずのリンパ球が甲状腺内に多く存在して、炎症が起きているという報告でした。後の1956年、英国人のデボラ・ドニアック先生(1912年生まれ)らが、甲状腺に前述のような炎症を認める患者の血液の中に、甲状腺ホルモンの合成に必要な「部品注1」に対する抗体(抗甲状腺自己抗体)がある事を報告し、橋本策先生によって報告された甲状腺疾患は免疫の異常によるものと認識されるようになりました。

橋本病であっても、リンパ球による甲状腺の破壊が軽度であれば、甲状腺機能は正常な事もあります。

橋本病以外の原因でも甲状腺ホルモンが少なくなることはありますので、「甲状腺機能低下症=橋本病」ではないことを多くの方に知っていただけたら幸いです。

 

注1:サイログロブリン、甲状腺ペルオキシダーゼを例えています