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ホルモンとその日内変動について

ホルモンはギリシャ語で「奮い立たせる」「興奮させる」物質を意味する造語ですが、私たちの体の様々な部位から分泌されています。ホルモンは体の恒常性(普通の状態を作る)を保つための物質です。


・間脳から分泌される視床下部ホルモン

・脳下垂体から分泌される下垂体ホルモン

・甲状腺から分泌される甲状腺ホルモン

・副甲状腺から分泌される副甲状腺ホルモン

・膵臓β細胞から分泌されるインスリン

・副腎皮質から分泌される副腎皮質ホルモン

・副腎髄質から分泌される副腎髄質ホルモン

・生殖器からの性ホルモンなどなど


上記が、高校生の理科の教科書に載っている古典的ホルモンです。

その後、どんどん研究が進み、神経、消化管、心臓、脂肪組織からも産生されることが明らかになっています。


ホルモンには一日中同じレベルで分泌されているわけではなく、日内変動があるものがあります。

代表的なものとして、GH(成長ホルモン)とACTH(副腎皮質刺激ホルモン)が挙げられます。

GHもACTHも脳下垂体の前の部分(前葉)から分泌されます。脳下垂体は、脳から垂れ下がった0.6gくらいの小さな器官ですが、これがすごい。こんなちっぽけな器官が、全身を制御しています。


GHは睡眠と関連した日内変動を示し、睡眠初期の深い眠り(徐派睡眠)に一致してGHは多く分泌されます。いわゆる「寝入りばな」の深い睡眠時にGHは多く出て、「寝る子は育つ」は医学的にも正しい。


ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)は、早朝にその分泌ピークがあります。6時くらいにピークです。そして夜間には低くなります。ACTHは、副腎の皮質を刺激して、刺激を受けた副腎皮質は副腎皮質ホルモン(コルチゾル)を分泌します。なので、コルチゾルも早朝に多く出て、夜に少なくなるんです。

コルチゾルには、一晩眠った後の体にブドウ糖を産み出し、蛋白を同化させて筋力をアップさせる働きがあります。


下垂体をさらにコントロールしているのが視床下部ですが、視床下部は温度や光、臭いやストレスなど、外界からの種々の刺激を元に作動しています。その視床下部に末端の下垂体が支配され、さらにその末端の副腎や甲状腺などが支配されています。会社で例えたら、視床下部は社長(代表取締役)、下垂体は専務取締役、甲状腺などの末端器官は部長でしょうか。

なので、「朝、昇った太陽を拝み、リズムよく分泌されたコルチゾルによってパワーアップして日中に活動し、日が沈んだ夜には眠る。」というリズムが、動物的ヒトとして理想的なリズムです。


社会全体が「昼はオン、夜はオフ」という風になれば、みんな同じリズムになるのでしょうが、今やインターネットで地球の裏側と繋がってしますし、仕事でやむを得ず「昼オン、夜オフ」のリズムではない方々も多く、心配です。ヒトは昼行性(夜行性の反意語)でできているので、夜中のスマホやパソコンの液晶ライトによっても、視床下部のリズムが攪乱されてしまいます。

糖尿病の方も、1日のリズムが不規則だと、当然血糖変動も乱れます。コルチゾルもGHも、血糖を上げるホルモンだから、当然なんです。


「朝お天道様を拝み、日中はしっかり活動し、日が暮れたら風呂に入り、眠る」


医学的にも、内分泌学的にも、これだけで健康的な方が増えると思います。

その睡眠薬が不要となるかも。その倦怠感がなくなるかも。その頭痛がなくなるかも。

そうなって欲しいと願っていますが、医療だけでは解決できない問題も多く、なかなか難しそうです。


実は当院でよく測定していますTSH(甲状腺刺激ホルモン)にも、日内リズムがあります。

こちらについては、今後改めてブログでアップするようにいたします。



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