血圧の左右差に意味はあるんでしょうか?

最近、複数の患者さまと「血圧の左右差」について診察室内でお話しました。

この場合の血圧とは、上の血圧つまり収縮期血圧の事を指します。


まず左右差ですが、10以上あれば異常として捉えます。

そのような場合、血管壁のしなやかさに左右差が生じている可能性を疑います。つまり動脈硬化です。あるいは、動脈硬化がさらに進行して、血圧が低い方の血管の根元が、狭くなっている可能性も考えられます(血管狭窄)。動脈硬化や動脈狭窄以外に、炎症で狭くなってしまう大動脈炎も鑑別に挙がります。


血管は心臓から1本の大動脈として出た後に枝葉のように分岐しているので、腕の血管に異常があるのなら全身の血管にも動脈硬化が起きている可能性を考えます。


臨床研究では、

糖尿病患者さんにおいて、血圧の左右差と下肢血管狭窄のリスクの間に、関連がある可能性が示唆されています。

また、糖尿病患者さんにおいて、血圧の左右差と糖尿病腎症の間に、関連がある事も報告されています。


糖尿病患者さん腕の血圧の左右差が10以上ある場合には、足の血管、腎臓の評価が望ましいと考えられます。


参考文献

A difference in systolic blood pressure between arms and between lower limbs is a novel risk marker for diabetic nephropathy in patients with Type 2 diabetes

Okada H et al : Hypertension research, 2013 ; 36, 403–407.


The inter-arm difference in systolic blood pressure is a novel risk marker for subclinical atherosclerosis in patients with type 2 diabetes

Yoshimitsu T et al : Hypertension Research, 2014 ; 37 ; 548–552.


Inter-Arm Blood Pressure Difference in Diabetes Mellitus and Its Preferential Association with Peripheral Artery Disease

Masako M et al : J Atheroscler Thromb, 2020 ; 27 : 780-788.