top of page

パン食と食後高血糖。日本が心配。

更新日:2 日前

「食後高血糖」とは、摂食1~2時間後の血糖値が140mg/dLを上回る場合と定義されます(Diabetes Care 2007; 30:263-269.)。


食後高血糖は糖尿病性網膜症、癌発症リスク、高齢者の認知機能、動脈硬化のリスクになり得るので、糖尿病治療はHbA1cの改善だけではなく食後高血糖の改善も目標となります。


軽症の糖尿病(例えば内服薬で治療中でHbA1c6.2%など)の方で空腹時の血糖値は100~110mg/dLと良好な方でも、摂食後1~2時間に血糖測定をすると血糖値が180mg/dLだったり250mg/dLと高血糖という場合があります。


そこで気になるのは食事メニューですから、患者さんに1時間前や2時間前に何を召し上がったのか確認します。

朝食のメニューを伺うと、「食パン6枚切り1枚+ゆで卵+ブラックコーヒー」など。

朝に食パンを食べているという方が非常に多いです。

そこで、私は患者さんに「どうしてパンを食べたくなるんですか?」と問いかけます。

返答は以下が多いです。

・コメは高いから

・ずっとパンやから

・パンが好きやから

・パンが食べやすい

・短時間で食べられる


私が「ずっとパン食なのはどうして?」と尋ねると、「なんでやろうな。」というお返事です。

気づかないうちにパン食文化なんですね。


メニュー内容から食後高血糖の原因は食パンだろうと推測できます。

もちろん、コメを食べても食後血糖は高くなります。しかし、お椀のご飯をおかずとちょこちょこ時間かけて食べてもらう事で、食後高血糖対策ができます。

そこで「なぜ、コメ文化の国である日本で、小麦製品であるパンが主流となったのか?」を考えてみたいです。


現在、日本の小麦の輸入元(2023年)は、1位アメリカ(38.6%)、2位カナダ(38.4%)、3位オーストラリア(22.9%)です(農林水産省HPより)。また、世界の小麦生産ランキングは、1位中国、2位インド、3位ロシア、4位米国、5位オーストラリアです。


小麦は船で運ぶでしょうから、地理的に近い国である中国やロシアが良いはずなのに、わざわざ遠い米国から小麦を輸入しています。米国の小麦が安くて良質という理由もあるかも知れませんが、主食の原料まで米国に依存して日本は本当に大丈夫なんだろうか。心配になってきました。


もともと日本は稲作文化、コメ食の文化でした。

文明開化という名のもとに西洋の文化が入ってくるようになりました。

第二次世界大戦で日本は戦争に負け、米国の影響を強く受けるようになりました。

敗戦後は食べ物がなく、米国が日本に小麦を提供するようになりました。


米国は第二次世界大戦後の朝鮮戦争の時期は米兵に沢山のパンが必要で小麦が大量に必要だった。

朝鮮戦争が終わると兵隊さんにパンを作る必要がなくなり、小麦が余った。

そこで米国は「余剰農産物処理法」を成立。日米余剰農産物協定に基づいて、日本は米国の余剰小麦を購入し、学校給食にその小麦でパンを作って児童に配った。

これが日本のパン食文化のルーツだろうと考えられます。

パン(小麦加工品)はおにぎりなどのコメ加工品と比べ、いろんな形状や食感に加工できたり、冷蔵保存しなくても良いし、ビタミンや油脂も混ぜやすいと個人的には思います。私もパンを食べます。


物価高でコメ価格も上がっている。

外国からのレアアース輸出規制で日本の工業が打撃を受けている。

自国の利益優先主義で関税をかけてくる。

こんな世界の情勢です。

小麦は、日本の気候の条件ではつくることが難しいと農林水産省のHPにも記されているのに、日本が小麦を米国に依存している事がとても心配です。


コメ価格が高い中、もしも小麦輸出制限のカードまでチラつかされたりして。。

そのうち、水そして空気まで依存させられやしないだろうかとか。。


米国由来の小麦を使ったバンズやスナックやパン、米国由来のじゃがいもで作ったフライドポテト、米国企業の清涼飲料水。こんな食べ物が当たり前のように生活に入り込んでいるのに、昔と比べてどんどん運動不足。エネルギーは摂るのは簡単、消費に結構運動しなければなりません。

そのバランスが崩れて肥満、脂肪肝、そして糖尿病へ。この状態に健康保険を使って薬で治療をする。何とかできないでしょうか。


ちなみに、私も食後高血糖を気にしており、いつも6枚切りの食パンを四等分にします。

はじめ四分の一枚、後で四分の一枚食べて、1食で半枚分の食パンを食べています。

サラダにオリーブオイルをかけて頂きます。

さらに目玉焼きを付けたり、大豆を食べたりして、タンパク質を摂取しています。


参考文献

農林水産省HP

「PL480タイトルⅡをめぐる日米交渉」 農業経済研究 第92巻,第2号,165-177,2020.

「小麦・小麦粉の歴史」一般財団法人 製粉振興会


​甲状腺疾患・糖尿病専門

​姜(かん)クリニック

〒 537-0014  

大阪市東成区大今里西1-30-18
TEL  06-6971-2200/ FAX 06-6971-2202

Copyright(c) 姜内科クリニック​ All rights Researved.

bottom of page